社会保険料に関するミスと、その防止対策について
この記事を読んで参考になる方
社会保険料というと、健康保険料、年金保険料、雇用保険、労災等ありますが、今回は健康保険料と年金保険料の計算ミスの防止方法について私の考えを書いてみたいと思います。
今回は社会保険料についての基本知識は説明しませんので、『社会保険についてはある程度理解しているけど、社会保険料の計算ミスを防止する方法がいまいち分からないのでヒントだけでも知りたい』という方は、この記事が参考になるかも知れません。
社会保険料(健康保険と年金)のミスのパターン
社会保険料の計算ミスが生じやすい原因には、①届出の提出を忘れてしまい標準月額報酬が適切な金額で申告できていないケースと、②変更までは出来ているが変更後の標準月額報酬に応じた変更前の健康保険料等を徴収してしまっているケース、という2パターンが多いのではないかと思います。
①のケースについては社労士さんにお任せする事で防止できますが、給与計算は自社で行っているケースが多く意外と②のケースでミスをしてしまう事が多いかと思います。
②のケースのミスに気付くタイミングは、A.給与台帳の合計額の健康保険料等の金額と年金事務所からの領収通知書の金額が違う事に気づくパターン、B.仕訳を行って初めて差額が出て気づくパターン、C.ずっと気づかずに金額の乖離が大きくなって『あれ?なんかおかしいぞ?』となって調査して初めて気づくパターン、になる気がします。
意外とC.のように発見が遅れる事が多く、とんでもない額の徴収ミス累計額が生じる事がある点が恐ろしいと思います。
なぜ社会保険料(健康保険と年金)の徴収額のミスに気付きにくいのか?
このような②のパターンのミスが生じやすい理由は、社会保険事務所から送られてくる請求書(保険料納入告知額・領収済額通知書)に健康保険料、厚生年金保険料及び子育て拠出金の金額総額は記載されていますが、その詳細な請求内訳が記載されていない事が大きな原因だと思います。
例えば、下記のような請求書が社会保険事務所から郵送されてきたらどうでしょう?

上記のように詳細な内訳が書かれていれば、社会保険事務所の考えている健康保険料等と給与台帳で実際に徴収している金額を突合するだけで原因を把握する事が出来ると思います。
しかし、実際には上記のような内訳の明細はなく『標準月額報酬の通知』が郵送されてくるだけのため、変更が頻繁にあると混乱してしまいミスが生じやすくなっていると思います。
社会保険料の計算・徴収ミスを発見するエクセルシートの例
当事務所が社会保険料の計算ミスの発見までをお客様に依頼されているケースで、実際にチェックのために作成しているExcelのイメージ図と参考にしている協会の保険料額表は下記の通りです。
例えば、下記のように『ROUND(G$5*E6/2-0.001,0)』というような関数式を利用する事で、標準月額報酬の変更を入力するだけで健康保険料と厚生年金の納付額計算を行い徴収ミスを事前に防止するとともに、年金局から郵送されてくる『保険料納入告知額・領収済通知書』と金額比較を行う事で、最終確認を行っています。
※四捨五入の関係で1円単位のズレが乗じる可能性があります。


上記のお客様の場合、歩合給があるため標準月額報酬の変更が頻繁にあるので、毎月その変化を追跡しています。それほど変化がない会社の場合、変更があるたびに作成するだけで充分だと思います。
また、実際には子ども・子育て拠出金についても関数を用いる事で、ある程度の金額を把握する事が可能になります。
最後に
さて、会社によって色々と対策されているのだろうなと思いながら、当事務所で行っている社会保険料の計算ミス対策について記載しましたがいかがだったでしょうか?
良いと思って頂けましたら、XやFacebook等で宣伝して頂けると嬉しいです。
あと、当事務所では上記のような社会保険料や給与計算の悩みについてのサポートも実施しておりますので、新大阪近辺で社会保険料のミス対策までサポートする税理士事務所をお探しの方は、お声がけいただけたら幸いです。

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